« 東国原知事の見通し | トップページ | 麻生首相が衆議院議員選挙を決断 »

地方分権の推進

 衆議院議員選挙が近づき、地方分権の推進がクローズアップされている。全国知事会は各政党のマニフェストに評価を加える作業を行ったようである。また、知事会の動きとは別に、全国市長会も地方分権改革の推進を盛り込むように各政党に呼びかけ、その対応を評価するとしている。

 国の直轄事業負担金をめぐって「ぼったくりバー」と比喩したのは大阪府知事であったが、こうした声に呼応するように他の知事も勇気をもって声を上げることで国は見直しを迫られている。大阪府知事が不合理な国と地方の関係を見直し、地方団体が真に住民のための行政を行えるよう地方分権の声を上げたことは評価できよう。

 そこで、地方分権の推進の方向が大切になってくる。従来国においては地方制度調査会を設置して地方団体の在り方について検討してきた。しかし、地方分権の推進については、権限と財源の移譲が「霞が関」の抵抗にあって進まなかった。権限だけを委譲し財源の移譲を行わないなど、とても受け入れ難い案も出された経緯もある。

 地方分権の推進は、本来国が行うべき仕事、広域の地方団体が行う仕事、市町村が行うべき仕事は何か見直し、事務の再配分を行い、それに見合った財源の配分を行うことだと考えている。地方団体はこうした考え方に基づき地方分権の推進を図るべきで、全国知事会と全国市長会は各政党への働きかけを行うとしている訳だから、協働でワーキングチームを設置し、各政党のマニフェストを評価するだけでなく、自らの案を示すべきだと考えている。

 戦後荒廃した地方を立て直すために現在の制度はその機能を発揮した。しかし、制度が築かれて60年以上経過し現在の地方制度が、制度疲労を起こしていることも事実である。一方で大都市に人口が集中すると共に他方で過疎により高齢者人口が高い「限界集落」も増加しているのである。こうした限界集落を抱える地方では、当然税収は限られ、歳入の不足を補てんしている地方交付税が歳入の大宗をなしている現状もある。

 従って地方分権と言っても一律の決めつける訳にはいかない。しかしながら、例えば国道と言っても交通量の非常に多い幹線道路もあれば、片側1車線も所々欠ける国道もある訳で、全て国が直轄事業としてやる必要があるのだろうか。こうした事業は財源と併せて権限を地方に委ねてもよいように考えられる。

 また、許認可事務でも外形的に整えば許認可するシステムになっている。例えば、これを2つに整理し、参入しやすくする事業と参入しにくくする事業に区分し、参入しやすくした事業については、実態調査が機動的に出来るような適正規模の地方団体に権限と財源を委譲し、退場も含めた監督業務が実施できるようにすべきであり、参入しにくく規制した事業については実態調査を行うとともに報告義務を強化した監督体制を構築すべきであろう。

 こうした住民の利益が確保できる真の地方分権を構築する必要がある。しかも重要なことは、人口の多い都市部と少ない地域では自ずと行政の課題も異なることから、地域ごとの課題に即した事業展開が柔軟にできるような分権制度が望まれるのである。

 全国知事会は全国市長会と早急にワーキングチームを設置して、手堅く地方分権の推進が図れるような制度の在り方を示す検討を開始することが望まれる。民間できることは民間にまかせ行政が取り組まなければならない課題を明確にして、検討経過を住民に広く周知し、推進の一大運動を創造してもらいたい。

|

« 東国原知事の見通し | トップページ | 麻生首相が衆議院議員選挙を決断 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/387904/30475184

この記事へのトラックバック一覧です: 地方分権の推進:

« 東国原知事の見通し | トップページ | 麻生首相が衆議院議員選挙を決断 »